世にも奇妙な物語「ハイ・ヌーン」


ハイ・ヌーン

ハイ・ヌーン
出演:玉置浩二
脚本:江口寿史

【動画】
[高画質で再生]

世にも奇妙な物語「ハイ・ヌーン」

【あらすじ】
ジリジリと気温が上昇する、とあるけだるい夏の日の午後。ここは、何の変哲もない、ごくありふれた駅前商店街の大衆食堂。エアコンが故障している蒸し暑い店内で常連客が淡々と食事をしている。ラジオからは高校野球の生中継が聞こえている。静かな午後であった。
その食堂に、ふと、一人のサラリーマン風の男が現れる。男は静かに席に着くと親子丼を注文する。出てきた親子丼を表情を変えず黙々と食べ終えると、男は次にカツ丼を注文する。まだまだ、午後は静かであった。
しかし、男がカツ丼を平らげ、玉子丼を注文した所で、徐々に静かな午後がどよめき始める。次のスタミナ丼の注文の時には、店主の妻が「お客さん、そんなに食べられるのかぁ?」と半ば呆れ声で言う。しかし、男はそんなどよめきにも全く動じず、次々と注文しては出された料理を完食していく。
物憂げな日常に突如現れた男の、異様なまでの食欲に徐々に注目し始める周囲の常連客、そして男の様子を厨房から窺う店主と妻。彼らはある事に気づいた…。男は壁に貼られたメニューを右端から順番に注文していたのだ。出された料理を黙々と口に入れては次から次へと注文する男、注文された料理を寡黙に調理して男の前に差し出す店主と妻…静かな、そして息詰まる挑戦が始まった。その様子はやがて商店街じゅうに知れ渡り、続々と食堂に野次馬が集まり始める。
既に1品目の親子丼から3時間を超え、黙々と食べていた筈の男の表情が不意に固まった。固唾を飲んで見守る野次馬たち…。どうやら喉に食べ物をつまらせたようだ。野次馬の一人が状況を察してコップの水を差しだすと、男は無言のまま水を一気に飲み干し、無表情のまま再び料理に手をつけ始める。
最後のメニューとなるカレーライスを平らげると野次馬から歓声が上がった。遂に男は全メニュー20品目の完食を成し遂げたのだ。それまで寡黙だった店主も男の元に歩み寄り、顔をほころばせて「お客さん、こんなうれしかった事はないよ。ありがとう。」と頭を下げる。全てが終わった…誰もが感慨に耽っていた頃、男はメニューに目を向けおもむろにこう言った。「親子丼…親子丼下さい」と…。



【レビュー】
1992年の作品ですが、いまだに世にも奇妙な物語の中でも最高傑作に挙げる人も多い名作中の名作ですね!!
玉置浩二さんの無表情で注文する演技も素晴らしくて、内容はシンプルなのに引き込まれる魅力があります。。
是非是非ご覧下さい。。